なぜ私は、あなた「だけの」味方にはならないのか

相続や財産管理のご相談に来られる方は、例外なく、深い不安と、時には孤独を抱えていらっしゃいます。 その方が、専門家である私に「自分の味方になってほしい」と願うのは、至極当然のことです。

しかし、今日、私はあえて書きたいと思います。
私は、あなた「だけの」味方にはなりません。

一見、これは冷たい言葉に聞こえるかもしれません。 しかし、これこそが、私がお客様に対して示すことのできる、最高の誠実さであり、ご家族の未来を守るための、最も重要なプロフェッショナルとしての誓いなのです。

専門家としての、私の役割

私の役割は、特定の相続人様の代理人として他のご相続人と交渉することではありません。 (※それは法律で弁護士にしか認められていません)
また、ご家族の意思決定そのものに、私が影響を及ぼすことも厳に慎んでいます。

私の真の役割は、ただ一つ。
ご家族の皆様が、時間をかけて自ら導き出した円満な結論を、法的に、そして実務的に、最も安全かつ確実な形で実現することです。

中立性こそが、その結論を守る

私が「絶対的中立」を貫くからこそ、ご家族全員の大切な合意事項を、正確に『遺産分割協議書』という形にできるのです。

お客様から「この専門家は、誰か一人のためではなく、私たち家族全員が合意した内容を、忠実に実行してくれる」と信頼していただくこと。それが、私の仕事のすべてです。

もし話し合いの過程で、どうしても合意形成が難しいという状況になれば、私の役割はそこまでです。その際は速やかに弁護士の先生方へバトンをお渡しします。それが、私の職務上の誠実さです。

本当の「味方」であるために

私が守りたいのは、あなたの短期的な利益だけではありません。手続きが終わった後も、あなたがご家族と良好な関係を保ち、穏やかな心で未来を歩んでいけること。それこそが、私の目指すゴールです。

私があなたの「だけの」味方にならない理由。
それは、ご家族全員で導き出した「円満な合意」そのものの、忠実な味方でありたいと、心の底から願っているからです。

その信念が、私の仕事のすべてを支えています。

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